院長ブログ

温泉旅館Best3(1)

ハレとケの2部門

注釈)柳田國男によって見出された、日本人の伝統的世界観のひとつ。 民俗学や文化人類学において「ハ レとケ」という場合、ハレは儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケは普段の生活である「日常」を表 している。今回は1泊2食3万円以上をハレ、3万円以下をケとしました。

ハレの部

1 由布院 玉の湯
2 湯本長座
3修善寺あさば

1 由布院 玉の湯

流石にこのランクの宿になると順位をつけるのがおこがましい気がします。 今まで泊まった温泉宿の中でも文字通り国内トッ プ3と考えていただいて大丈夫です。 ただし注意点が1つあります。 料理も温泉も部屋もホスピタリティーも一流であ れば当然それなりの価格は覚悟しなければいけま せん。ところが逆に高ければ良いかというとそう でもないのです。 この値段なら良くて当たり前だと思うと大変な目 に何度もあいました。特に東京圏(伊豆など)でその 傾向が強く、1泊5万それ以上でも十分な満足を得 られない宿は数多くあります。 率直に言って由布院 玉の湯は少なくと も私にとって全国No、1です。

ただでさえ簡単に予約が取れず、1人泊 はプラチナチケットに近い状態でし た。ミシュランの3つ星よろしく、この宿に泊まるためだけに旅行を企画した ものです。以前はオフシーズン、ゴール デンウィーク明けの6月や正月前の12月 平日、直前に電話で宿泊を交渉しまし た。時代が変わって今は1人旅も普通になり、最近ホームページ 上でも1人泊が受付可能と なりました。相変わらず全く予約は取れませが。

1番印象的だったのは初めての宿泊で、 すばらしいライブラリー蔵書の中から2、3点選んで部屋 で読もうとしましたが、居心地が良す ぎて知らない間に昼寝をしてしまった ことです。

風 、鳥、せせらぎ、虫、特に風で 木の葉が擦れる音

西陽、夜の暖かい光、特に揺れ動く木漏れ日

匂い

木々、土、水、焚火、特に畳と苔 と土の混ざった匂い

部屋付き源泉掛け流し檜風呂で疲れた身体は五感を解放して、無意識のうちに 寝ていました。 これほどの幸せがあるでしょうか。

夕食は至福の時間です。生産者の顔が見え る野菜、肉、魚を用い特に豊後牛は噛む 必要もなく口の中でとろけてしまいま す。

朝食も然り、写真から想像してくださ い。実は一流の宿の共通点は朝食が素 晴らしいことです。 併設のショップもありきたりなお土産 ではなく、オリジナルの調味料や瓶詰めのお惣菜、客室で実際に使っている小物など つい買いこんでしまいます。

CWニコルさんが「これでBarがあった ら言うことないのに」の一言でニコル ズBarが誕生しました。 Barで思い出しましたが玉の湯からタク シーで10分ほどで日本旅館バーの頂 点、山荘無量塔Tons barがあります。玉の湯で昼寝をしてからTons barで2、3 杯カクテルを引っ掛けて宿に戻り、夕 食の時間となります。 一言で言うと玉の湯はどの空間、時間 を切り取っても「癒し」が満ち溢れているといえます。

 

2 湯本長座

岐阜の自宅からのアクセスの良さ と宿の内容を考 えればダントツのトップは間違いなくココです。 30年以上前から家 族で利用しています。 長座に宿泊の場合、必ず部屋を指定します。

家族3人の場合 山桜の間 家族5人の場合 イチイの間 山桜の間(写真はいずれも山桜の間)の佇 まいは山間部の豪邸の暮らしはかくあるべきかと思わせる素 晴らしさです。 使用されている木材や その空間、何しろ一度 この空間に身を置いて みてください。日本人 なら誰でもわかる価値 観がそこにあります。 一方でイチイの間は山 間部での大家族の暮らしを想像させま す。 居間、寝室、囲炉裏の間に分かれ、白 川郷合掌造りの家にいるかのような錯 覚を覚えます。

夕食は囲炉裏のある個室食事処でいた だきます。
私の中のマストアイテムは囲炉裏の横に 串刺しした五平餅です。メインディッ シュの飛騨牛が霞むほど大好きです。 ぼちぼちお酒が廻った頃、宿のご主人 が1部屋ずつ挨拶に周ります。30年間変 わらずいつも地元の言葉で「何もねー 山の中でごぜーますが温泉だけは最高 でごぜーます」と おっしゃいます。 朝食も同じ囲炉裏 で、朴葉味噌でつい つい白飯が進みま す。 突筆 すべきは温泉 で、露天風呂を含む 無料の家族風呂だけで3箇所あります。 奥飛騨山家の居 心地良さが宿の売りです。

3 修善寺あさば

あさば 料理とその凛と した雰囲気で言えば間違いな く日本の頂点にある宿だと思います。 何せ敷地内に本格的な能舞台 を設けてい るのです。 何度も狂言 師野村万作の能舞台を予約 しようとしま したが全く不 可能でした。

終始凛とした良い意味での 緊張感のある時間を過ごせます。温 泉 旅 館としての料理は日本一と言って良 いかと思 います。

特にワインと初夏の鮎との組み合 わせは日本中 のグルメの垂涎の的です。たまたま初めての宿泊時、近く の狩野川でとれた初物の鮎と モンラッシェのマリアージュは人生初の体験でした。
正直鳥肌が立 つほどの感動をしました。この話は全 国いろいろなバーやワ インバーで話すのですが、「それほどのマリ アージュはおそらく人 生二度とないでしょう ね」とよく言われています。 論より証拠ぜひご自身で体験してみてください。

このトッ プ3は向 かってい るベクト ルが違います。 玉の湯は癒し 自然との距離感 長座は奥飛騨の山家暮らし(囲炉裏) あさばは凛とした良い意味での緊張感 是非ハレの日に伺ってみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました